わたさんの自作讃美歌作品集


最後の言葉 "May Father forgive them" (made in 1979)

小さな窓から 夕日があなたの頬を照らす
窓の外を見つめるあなたの目には
一粒、涙が光っていた

丸いテーブル、食べかけの堅焼きパン
蝋燭をともせば あなたの思い出
心の中をよぎる

 ああ、どうしてぼくは今まで
 あなたの 気持ちがわからなかったんだろう
 だのに あなたは 私を 責めることもしなかった

湖に映る あなたの優しい微笑み
わずかの月明かりに光る瞳は
何か深く沈んでいた

岸に揚げてある 古びた一漕の小舟
もたれて空を見れば なつかしい日々が
思い出されて来ます

 ああ、どうしてぼくは今まで
 あなたを捨て去って逃げて来たんだろう
 だのに あなたは 私を 赦してくれると言うのですね

死刑台の上、涙と血にまみれつぶやいた
最後の言葉が昔のあなたを 解いているように