Bible Talk (わたさんの一言)





夢の架け橋 (1999.3.28)

実に、キリストはわたしたちの平和であります。
二つのものを一つにし、
御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、
規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。
こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、
十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、
十字架によって敵意を滅ぼされました。
(エペソ2:14〜16)
私は、橋を作る工場で働いています。
5月1日に尾道と今治を結ぶ架橋ルート「しまなみ海道」が開通します。
昨日は、それを記念した国際シンポジウムに参加してきました。

本州四国連絡橋の中でも、この「しまなみ海道」は、大きな特徴があると言います。
それは、児島〜坂出ルートと違って、どの島にも降りることができることです。
単に本州と四国を結ぶというだけではなく、島々の交流のために大いに役立つのです。

これらの島々は、戦国時代に水軍が栄えるよりずっと前から、それぞれ独自の文化を育んできました。
それらの文化が新しい出会いを通じて、また新たな時代を築いていくのです。
特に生活面、医療面での貢献は非常に大きいと言います。
しかし、懸念される点もあります。
それは、文化が画一化し、平準化し、それぞれの特徴を失いはしないかということです。
そしてありきたりの町、魅力のない町になってしまわないかということなのです。

さて、本州と四国に橋をかけようなどという途方もないことを誰が考え出したんでしょうね。
日本に大きな橋を架けるために乗り越えなければならない大きな問題が二つあると言います。
地震と台風です。
技術者たちは、それを乗り越え、世界一長い吊り橋である明石大橋は、阪神淡路大震災にも
びくともしませんでした。

私は、橋のことを考えると、イエス様のことを思ってしまいます。
尊く聖い神様と醜く罪深い私たちの間に、どれほどの距離があるのでしょう。途方もない距離です。
しかし、その果てしもない距離に十字架を通して橋を架けて下さったのです。
イエス様は神様と私たちとの間の架け橋になって下さったのです。

そして、イエス様は私たち人間どうしの間を結ぶ橋ともなって下さいました。
神様が与えられた愛を心に持つときに、人と人との心が通い合います。
理解できない心の溝に、神の愛と赦しによって橋が架けられていくのです。
そして、神様が造られたお互いの違いをを大切にしながら、結びあっていくのです。

イエス様こそ、夢の架け橋。
どんなに嵐が吹き荒れても、どんなに地が揺れ動いても、壊れることのない橋。
 

綿谷 剛