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イントネーションの型


この講座では、単純化のために強[●]弱[○]の2つの音の高さでアクセントを表すことにしています。
しかし、実際の会話では、大阪弁はもっと表情豊かな抑揚があり、2つの高さで表されるようなものではありません。

ここでは、表情豊かな抑揚を、強弱の2つよりは少し多くし、4つの音の高さで表すことにします。

(1)4つの音の高さ

一番高い音:[★]で表します。
少し高い音:[●]で表します。
少し低い音:[○]で表します。
一番低い音:[_]で表します。

これを、ドレミファソラシドの音にたとえれば、

大変高い音:[シ]
高い音  :[ラ]
少し低い音:[ソ]
一番低い音:[ミ]

となります。


(2)各アクセントの型におけるイントネーション
頭高、中下がりといった下がり目のあるアクセントの型では、一番低い音まで下がる。
始めの音が低い場合は、少し低い音から始まる。

アクセントの型 イントネーション 高さの変化
平板アクセント 蚊ぁ[●●][ララ]or[★★][シシ]
顔[●●][ララ]or[★★][シシ]
香り[●●●][ラララ]or[★★★][シシシ]
高いまま
頭高アクセント 歯ぁ[●_][ラミ]or[★_][シミ]
足[●_][ラミ]or[★_][シミ]
蛍[●__][ラミミ]or[★__][シミミ]
高い音から
一番低い音まで下がる
尻上がりアクセント 目ぇ[○●][ソラ]
箸[○●][ソラ]
蛙[○○●][ソソラ]
少し低い音から
少し高い音に上がる
中高アクセント 雨ぇ[○●_][ソラミ]
トマト[○●_][ソラミ]
かまきり[○○●_][ソソラミ]
最初は少し低く、
高い音に上がり、
一番低い音まで下がる
中下がりアクセント 花見[●●_][ララミ]or[★★_][シシミ]
ランドセル[●●●●_][ララララミ]or[★★★★_][シシシシミ]
高い音から
一番低い音まで下がる

(3)尻上がりアクセントにおける上がり目の待機
尻上がりアクセントは、その次に、高い音が来ると上がり目が後ろにずれます。

目ぇ[○●][ソラ]
目ぇが[○○・●][ソソ・ラ]
目ぇが痛い[○○・○・●__][ソソ・ソ・ラミミ]


(4)会話の中でのイントネーション

実際には、もっと抑揚は大きいですが、あえて4つの音で表せば、次のようになります。
あんた、顔、赤い・でぇ[○○○、●●、★__・○●]
この子、歯ぁ、生えてきた・なぁ[○○○、★_、○○○●_・●_]
それ、ちょっと、ちゃうのん・ちゃうん[○○、●●○、★★__・●●_]
そんなん、言うたかて、あかんわ[★★__、●____、★★★_]
蛙の・子は、蛙[○○○○・●●、__○]
ぼちぼち・行こか[★○●_・●●●]