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維持・保留を表す助動詞（とく、んとく）


「とく」は、「て・おく」の転訛したもので、準備、維持、保留などを表します。


「んとく」は、「とく」の否定。

例文：
出ていかんなんねやったら、先、食べといたら？・・・準備
その書類、そこに置いといて・・・維持、保留
私のことなんか、ほっとって・・・維持、保留
わいまだ、手ぇはなされへんよって、先、食べといて・・・維持、保留
いや、あんたが終わるまで、食べんとくわ・・・維持、保留


マ行、ナ行で活用する動詞につく場合には、「どく」となります。

（１）「とく」の活用形 未然 連用 終止 連体 仮定 命令 接続 とか・ん とこ・う とい・た とき・ます とい・て とっ・て とく とく・とき とけ・ば とけ 動詞の連用形につく んとか・ん んとこ・う んとい・た んとき・ます んとい・て んとっ・て んとく んとく・とき んとけ・ば んとけ 動詞の未然形につく 仮定形にはむしろ、「といたら」又は「とったら」が使われます。

（２）「とく」が動詞につく場合のアクセント 平板型アクセントの動詞 活用形 ２音節 [●●] ３音節 [●●●] ４音節以上 [●●●●] 五段活用語 [●●・●●]言う・とく [●●●・●●]祈っ・とく [●●●●・●●]輝い・とく 上一段活用語 [●・●●]居(い)・とく [●●・●●]出来・とく [●●●・●●]滅び・とく 下一段活用語 [●・●●]得・とく [●●・●●]越え・とく [●●●・●●]与え・とく カ行変格活用語 − − − サ行変格活用語 [●・●●]し・とく − − 尻上がり型アクセントの動詞 活用形 ２音節 [○●] ３音節 [○○●] ４音節以上 [○○○●] 五段活用語 [○○・○●]読ん・どく [○○○・○●]歩い・とく [○○○○・○●]もたらし・とく 上一段活用語 [●・●●]見・とく [○○・○●]悔い・とく [○○○・○●]用い・とく 下一段活用語 [●・●●]出・とく [○○・○●]見え・とく [○○○・○●]答え・とく カ行変格活用語 [●・●●]来(き)・とく − − サ行変格活用語 − − [○○○・○●]命じ・とく 例外：頭高型アクセントの動詞 活用形 ２音節 [●○] 五段活用語 [●●・●●]居(お)っ・とく

（３）「んとく」が動詞につく場合のアクセント 平板型アクセントの動詞 活用形 ２音節 [●●] ３音節 [●●●] ４音節以上 [●●●●] 五段活用語 [●●・●●●]言わ・んとく [●●●・●●●]祈ら・んとく [●●●●・●●●]輝か・んとく 上一段活用語 [●・●●●]居(い)・んとく [●●・●●●]出来・んとく [●●●・●●●]滅び・んとく 下一段活用語 [●・●●●]得・んとく [●●・●●●]越え・んとく [●●●・●●●]与え・んとく カ行変格活用語 − − − サ行変格活用語 [●・●●●]せ・んとく [●・●●●]せ・んとく − − 尻上がり型アクセントの動詞 活用形 ２音節 [○●] ３音節 [○○●] ４音節以上 [○○○●] 五段活用語 [○○・○○●]読ま・んとく [○○○・○○●]歩か・んとく [○○○○・○○●]もたらさ・んとく 上一段活用語 [○・○○●]見・んとく [○○・○○●]悔い・んとく [○○○・○○●]用い・んとく 下一段活用語 [○・○○●]出・んとく [○○・○○●]見え・んとく [○○○・○○●]答え・んとく カ行変格活用語 [○・○○●]来(こ)・んとく − − サ行変格活用語 − − [○○○・○○●]命じ・んとく 例外：頭高型アクセントの動詞 活用形 ２音節 [●○] 五段活用語 [●●・●●●●]居(お)ら・んとく