大阪弁では、引用の助詞として、「と」はあまり使いません。 そのかわり、「て」をよく使います。 共通語では、この時、「って」という言い方をすることがありますが、 大阪弁では、「っ」は元来使いません。 何て[○●・○]、書いたあんのん[○○・●○○・○●]?=何と書いてあるの? 「立ち入り禁止[○○○●・○○●]」て[○]、書いたあんねん[○○・●○○・○○]。=「立ち入り禁止」と書いてあるんだよ。 今[○●]何て[○●・○]、言うたん[●○・○●]?=今、何て言ったの? 好きて[●○・○]、言うてん[●○・○○]。=好きって、言ったのよ。 また、「て」の前に引用文が来る場合には、「て」はよく省略されます。 「言うたらあかん[●○○○・●●●]」言うてるやんか[●●●●・○○○]=「言ったらダメ」って言ってるじゃない 「あかん」言うたら[●●●・○○○○]、あかんねん[●●●・○○]=「ダメ」って言ったら、ダメ! 「はよしぃ[○○●●]」言うてるやろ[●●●●・○▲]=「早くしろ」って言ってるだろ 相手の言葉を受けて問い正す場合、「て」を文末にすえる用法では、「てぇ[○●]」と伸ばす場合があります。 何やてぇ[○●・○・○●]?=何だって? わいが[○○・○]、まちごうてるてぇ[●●●●・●●・○●]?=私が間違っているって? 文末の「て」が伝聞を表す場合には、普通、伸ばさず高く発音しますが、驚きを強く表す場合には、伸ばして最後を下げます。 あの子[●●・●]、こないだ[●●●●]、映画[●○○]見に[●●]行ってんて[●●・○○・●]=映画を見にいったんだって あの人[●●・●●]、百万円[●●●●○○]、当たってんてぇ[●○○・○○・●○]=当たったんだってさ |