尺八歌口補助具


尺八は、音を鳴らすのがとっても難しい楽器のひとつ。

歌口部分で、あごで開口部の下半分を塞ぎながら、歌口のエッジに息を当てるというのが難しい。
あごは、一人一人みな形や大きさが違うのに、同じように歌口を塞がないといけない。

ところが、私自身、とてもあがり症で、舞台に立つと、あがってしまって、あごの筋肉はふるえだすのです。
そうなると悲惨で、あごで下半分を安定して塞ぐことに気をとられて、息のジェットが当たらなくなってしまい、
きれいな音が出なくなってしまうのです。

あるとき、フルートを吹いてみました。
フルートは、尺八に比べて、歌口の開口部がずいぶんと小さい。そして、あごで塞ぐ必要がほとんどない。
お、これだと、あごがふるえだしても、その影響は小さいんじゃないか?
尺八も、歌口の下半分をはじめから塞いでやったら、安定して吹けるのではないか?
と考え、さっそくやってみました。

材料は、滑り止めパッド(3mm厚×21mm径)と板ゴム(1mm厚)

滑り止めパッドの真ん中部分を切り抜き、上側を切り落として、板ゴムに張り付ける。
これを尺八の歌口にはめこむ。たったこれだけ。
(写真は、光の当たり加減で色や質感が変わって見えますが、同じものです)

(TYPE-1)


(TYPE-2)


(TYPE-2の図面)

これをつけて吹いてみると、いつもより安定した大きな音が鳴りました。
これ、ぜったいにいけます。

小学生などに尺八を教えるときなど、あごが小さくて、歌口が塞げなかったことがありましたが、
これをつけると、かなり難しさが解消されると思います。

これまで、リコーダーの頭部分の形をした補助具がありましたが、あれをつけると、尺八ではなくなります。
しかし、この補助具は、ゴムで弾力性もあるので、メリもカリもできます。
初心者には、もってこいなのではないでしょうか。

それに演奏時に、補助具が全く見えないので、何もつけないで吹いているように見えます。

私も、あがってしまったときには、これをつけて吹こうっと。

2005.12.24 Copyright by Tsuyoshi Watatani

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